からっぽの恋
ドクドク、ドクドク…








やばい









心臓の音が丸聞こえだ。

顔も火照りが止まらない。

「水……そうだ、水。」


オレは急いで冷蔵庫に向かい

ミネラルウォーターを

一気に飲み干す。


「…っはぁぁ。」


何焦ってるんだオレ?

女の体なんて見馴れてる。

触れられるのだって日常茶飯事だ。



それなのに



相手がちいなだけで

この有り様か?


一気に力が抜け

冷蔵庫の前に座り込む。



落ち着け、オレ!

深呼吸していると









「綺羅?」












ビクビクッ!?













何やってんだオレ…

又もやビクついていた。


ゆっくり振り向くと


ちいが居た。


まだ濡れている髪が


妙に色っぽかった。
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