天に咲く花
チャイムがなった途端、男子がアオイに話し掛ける。

『アオイくん、最近クラブに顔出さないじゃん。アオイくん来ないと客足減るんだよね~。』

『色々忙しくてさぁ~。そのうち顔出すよぉ~。』

『そぉだよ、バスケも来ないし。』

別の男子が話し掛ける。

『うん、まあ、そのうち…。』

『いっつもそう言って来ないくせに。アオイくんガッコーにも来ないし、携帯つかまんないし、全然レンラク取れないんだよ
何がそんなに忙しいの』

気付くとクラスのあちこちから声がする。


へぇ~、顔広いんだ。
なんか急に寂しくなった。


『君達、先生の存在忘れてるね。まだ授業終わってないのよ。』

『ごめんね、先生。でも、もう再開は難しいよぉ~。』

アオイが、ちゃかすように言う。

『降矢くんが来なければ、きちんと時間に終われたのよ!まったく…。』

ぶつぶつ言いながら先生が教室から出ていく。

『ミク~?』

アオイが顔を覗き込む。

『な、なに』

『ごはん』

アオイが子供みたいに笑って言う。

『わかった。』

さっきのクラスの人とのやりとりを見て、おいて行かれた気がして笑い返すことができない。
なんか、アオイ、知らない人みたい。
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