天に咲く花
『昼ご飯買う人?』
『ううん、弁当持って来たから買わない。』

『うっそオレのは』

『いや、無いし。』

『えぇ~んじゃ、明日はオレのも宜しくね。』

『明日今日だけ来いって言ったじゃん』

『だってオレ、明日も来るし。だったらミクも来るし。』

『いや、来ないし。』

『なんでぇ秘密基地教えてあげようと思ったのに。そこに行けば、明日も来る気になるって!』


普通に会話してるけど、標準語のアオイはどうしても慣れない。

『ねぇ!』

前を歩くアオイに話し掛けた。

『関西弁は』

『ん?あぁ~、なんかクセで、昔から知ってる仲間以外の人とは、標準語なんだよねぇ~。オレ、中学の時こっち来たんだけど、自己紹介したら笑われて。それ以来、なんかねぇ~。ま、ちゃんと標準語かどうかは疑問だけど(笑)
ん!着いたよ。ここ。』

アオイが指差す方を見ると、人が2・3人入れるくらいの小さな小屋。

『なにこれ、ニワトリ小屋?』

『失礼なやっちゃなぁ~。オレの第2の家やで。』

そう言いながらドアの鍵を開けた。

『さぁど~ぞ。』

ドアを開けて手招きする。

恐る恐る入ると、中は真っ暗…。

『ちょ、ちょっと』
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