天に咲く花
沈黙…
やっぱ言わなきゃヨカッタ。

『あのな、オレはミクとは逆で、人に合わせてばっかやねん。ぶつかるのが苦手で、逃げることばっかして、皆にエエ顔して。でも、本音が言えん分、相手のダメなとこを指摘できんし、エエとこを心から褒めたりもできん。全部が口先だけの平たい軽い付き合いでしかないねん。本気で想ってるコトって、実はなかなか言えんもんやで。
本気で想ってることなら、ミクが言うように、誰かと同じく褒めたりしたら、なんとなく軽く感じるし、なにより照れ臭い。それに、悪いコトだと思うコトを自分はしないって、ちゃんと行動してるのだって、間違いを正してるのと同じことやから、ミクは全然悪くないと思う。
でも、ミクは皆に合わせられないから自分が悪いってなって、そういう自分に自信が持てなくて、自分は嫌われてる…だから、テンション高いとこに混ざったら空気壊す。そぉ思ってしまうんやろな。
ようは、不器用なんや。
オレは不器用な人って、それだけ相手を想える優しい人なんやと思う。
ちゃんと相手を想える人なんやと思う。周りは、その正面からの想いに応えられるか不安で、つい背中を向けてしまうんやろな。
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