天に咲く花
『アオイは、みんなと仲良く出来てるじゃん。』

イヤミっぽい。

『オレは言うた通り、ええヤツぶって表面で仲良く見せてるだけや。好きでもない相手にニコニコしとると、かなり虚しくなんねんで。まあ、好きなことやっとる時はキライなヤツが側におっても、関係あらへんけどな(笑)』

好きなことか…。

あたしには何もない。

『あ、シルバーアクセ…。いつできるの?』

ふっと、前にアオイとした約束を思い出した。

『あ~!別に忘れてたわけちゃうで!途中まで作ってあんねんけど、ちょっと立て込んでもうて、ストップ状態やねん。出来上がりしだい持ってくるから、それまでは、ガッコー通いな。』

は?

『いや…、さっき辞めるかもって話したばっかじゃん。もう行く気ないし。』

『行こうや~。明日からは、ちゃんと早く行くし。なっ!もう少し通ってみたらええやん。別に、クラスメイトは、あの子らだけちゃうやん。他に友達つくったらええねん!オレも顔だすし。だから、な?!』



あたしは自分のことで、いっぱいいっぱいで、この時アオイが、どぉしてそこまでガッコーに行かせたがるのか、全く分からなかった。
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