鳥籠の姫
母のお得意様が結婚しないかと…
そう話をもちかけてきたのだが
子供がいることが原因でダメになった。
そう。私のせいでだ。
お得意様を一人失うという痛手を被った
母の怒りは……私にむけられた。
だけどまだ10歳の私には
耐えがたいものだった。
私はいらない子供。間違いで生まれたの??
だから、いつも母は私をみないの??
だからお友達の様にはいかないの??
そう、そうだったんだ。
私は産まれた時から自分一人だったのだ。
誰も自分を愛してはくれない。
そう悟らせるには充分な出来事だった。