STAR SEEKERS 〜 星を探す者たち 〜
超高密度の複合結晶原子構造を持つゼブニウム合金の塊が、頭上から振り下ろされる!
突進の勢いと相まって、その斬撃は易々とアーキスの装甲を切り裂くだろう………。
「当たれば、の話だけどね。」
このクラスに編入当初の僕ならば、為すすべも無く一本取られていたに違いない。
だけど、この、まさに血のにじむような2年間───。
毎日シュミレーター訓練と実機搭乗を繰り返し、その結果、アーキスを手足同然に扱えるようになった僕にとっては、教官の渾身の一撃さえ止まって見えた。
最小の動きで機体を左に振り、紙一重で避けてみせる。
『ぬぅ………っ……!』
必殺の「一の太刀」をかわされたブラウン教官のうめき声が実に心地良い。
教官は、ブレイドを完全に振り下ろした姿勢から刃を返し、腰の回転を使って更に斬り上げてきた。ちょうどその軌跡がカタカタの「レ」の字を描くような感じだ。
僕は、今度の下からの斬撃はかわそうとはせずに、自機のブレイドを上からかぶせるようにして受け止めた。
そして受け止めた瞬間に、機体を宙域に安定させておく為のオート・バランサーとスタビライザーを強制的にオフにする。
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