STAR SEEKERS 〜 星を探す者たち 〜


しかし、クラウスの反射神経も並大抵ではない。


とっさに目の前で両腕をクロスしてザハロのドロップキックを受け止め、さらに腕を振るって弾き返した!


はね飛ばされたザハロはテーブルに手をついて側転気味に一回転し、床に着地する。


そして、二人は睨み合って対峙した……!


「やーめーろーよー!お前らー!」


「そうだぞー!メシぐらいゆっくり喰わせろよー!」


僕とカルドゥッチは二人を止めようとしているのだが、どっちも自分の料理を体でかばいながらなのであまりサマになってない……。


周りの連中はというと……、


3割くらいは迷惑がって制止しようとしてはいるが、残り7割は観客と化して歓声やヤジを飛ばしている始末……。


外野の騒ぎを余所に、睨み合う二人はピクリとも動かず、互いの呼吸をうかがっている。


ザハロの喧嘩好きは訓練生の間でも有名だが、周りから優等生に見られているクラウスも、実は静かに闘争心を燃やすタイプで、激しやすいところもある。


つまり、この二人は全く違うタイプのようでいて、どこか近いところがあるのだ。


そのせいか、こういった喧嘩がしばしば起こる。





時間にして3分は経っただろうか………。


対峙している二人の間合いは、ジリ、ジリと詰まっていき………そして、お互いが床を蹴った!




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