STAR SEEKERS 〜 星を探す者たち 〜


人類を取り巻く環境の悪化はもはや対処不可能なレベルにまで達し、地球の総人口は最盛期の半分以下、30億人にまで激減していた。


各国政府は切迫した状況に対し、人類史上最大規模の計画を実行に移す。




「セカンド・ノア計画」────。





聖書の一節になぞらえたこの一大プロジェクトの成功によって、人類は劣悪な環境下の地球を脱し、以後はその活動拠点を月面基地と周辺のコロニー群に移す事となった。


そして、全人類の地球からの完全撤退が完了した2186年末日をもって西暦は幕を閉じ、明くる2187年1月1日より、各国首脳部は連邦制を採択、新たに「宇宙歴」が始まったのだった。




順調に宇宙への進出を果たしたかに見える人類社会だったが、宇宙歴12年5月、連邦政府を震撼させる大事件が起こる。





火星の、連邦政府からの独立である。




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