単細胞生物



始めこそ雪はしょっちゅう僕に話しかけてきたけど、


僕は冷たい態度で接し、その度に彼女の大きな瞳は揺れていた。




おおかた僕に嫌われたとでも思ったのだろう。



それ以上僕にかまうことはなくなった。





中学生になる時、僕は県外の寮に入ることにした。



雪と同じ家では、僕はこの強すぎる想いを消すことはできない。




その時すでに身長が160cmを越えていた彼女は、顔のせいもあってか、とても小6には見えなかった。





しかし、僕が旅立つ前日の夜。僕は彼女の寝室から小さな嗚咽を聞いた。





「なんで……っ……」





その日の昼に笑顔で荷造りを手伝ってくれた彼女とはもはや別人だった。




その時の彼女は小6の子どもであり、1人の小さな乙女であった。






その対象が僕であることに、震えるような喜びと、それ以上の危機感が僕の中にあふれた。






2人一緒では壊れてしまう


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