空唄


駅に着いて外で涼んでいると
珍しく、隼人が真面目な声で質問してきた。

急に言われたから
びっくりしたじゃん。



「え?な、なんで?」


「最近そんな感じの事、
リアルに更新してるし。

今日誘ったら戸惑った。」



ああ、ばれてたんだ。
しかも隼人がリアル見てるの
忘れてたぁ…。



「ぅん、好き。かもしれない。
まだよく分からないけど…」

「へぇ…
そいつ、信じらるんの?」

「…どうだろ。」

「性格とか分かってんの?」

「よく、知らないけど…」

「じゃあやめとけよ。
彼女いるかもしれねぇよ?」

「いないって前言った。」

「前っていつ?」

「ぃ、1ヶ月ちょい前…」

「今は分からないだろ。」




でも、聞いたんだよ。全部。

彼女がいないことも、
好きな人いないことも、
永遠が自分で答えたの。


好きな人いなかったら、
付き合わないょね?




「好きな人、
いないって言ったもん!」

「女からガツガツきたら、
好きじゃなくても付き合うだろ。男なんてそんなんだよ。」

「何でそんな事言うの!?
隼人に何が分かるの!!」

「少なくとも、
お前よりは男を知ってる。」

「隼人にそんな事、
言われる筋合いな…」




“筋合いない”
そう言おうとした時、
突然隼人が腕を引っ張り
あたしは隼人の
腕の中に収まっていた。



あたし、もしかして
抱きしめられてる…?



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