空唄



「そっ、か…」




何も言えなかった。

昔のこととは言え、
あたしの知らない女の子の名前を
呼んでる永遠の声が
やけに悲しく頭に響いて。


あたしの知らない永遠が、
そこにいたんだ。




「光、これからなるべく
1人で帰らないで。」

「え?何で…」

「あいつバックに黒い関係の
人間いるから、危ない。
一緒に帰れそうな人、いる?」



その時、頭に浮かんだのは
うちの部員達ではなく。




「ぁ。いる。」



隼人。

一緒に帰ってくれるて、
言ったよねアイツ。



「そいつ男?部員?」

「男だょ。部員じゃないけど、
野球部の後輩で…」


「……明日さぁ、俺Offなんだ。
そっち行くよ、だから明日
そいつと駅まできて。
一言挨拶する。」

「お父さんですか貴方は(笑)」

「パパと呼びなさい(笑)」




っていうか、隼人に会わせるの
何か無駄に気まずいな!!


でも他の部員は、毎日コンビニ
寄ったりで普通に帰らないし…
隼人が一番適役かも。



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