空唄
「光、とんちゃんは
大丈夫だったんだね。」
「トラウマも治った?」
ズキンッ
「ど、どうかなぁ?
でも永遠は近くにいても
気持ち悪いとか思わないし、
安心するからねっ☆
だから、大丈夫。」
トラウマ、かぁ…。
そう、あたしの心には
今でも癒えない
傷がある。
あたしの人生で、
一番最初の
恋だったんだ。
『ホタル、』
『こっち来いよっ!』
『行こうぜ、ホタル。』
『ホタル!』
『マジありえねぇ、』
あたしのことを、
ホタルと呼んでいた
アイツ。
まだ、消えないよ。
「り…かり……光!」
「(はっ)な、なぁに、?」
「どした?大丈夫?」
「大丈夫っ!
ありがと、ユリ。」
また嫌なこと思い出して、
自分の世界入っちゃった。
あたしのいけない
癖だなぁ…。
もう全部、
終わりにしたはずなのに。