雪の華、君の香り、君ヲ想う
瑠香・・・


俺はどんどん視界が滲んで
瑠香の姿ががぼやけていく。


「自分が自分を思ってあげなくちゃ、
守ってあげなくちゃ、
この存在は報われない。

自分だけは自分の味方で
いてあげて下さい。


小さな子供には
視界を広げることは難しい、
安全な場所なんてわからない。
誰かが助けてくれるかなんて
そんなこと考えられない。

でもね、必ず助けの手はある。
絶対どこかに助けてくれる人はいる、
自分の味方になってくれる人はいる。

だから、今もし、
一人で悩んでいるなら、
もう少し頑張って、
思い切ってそこから抜け出し
助けを呼んでみて、
必ず誰かが助けてくれるから。
必ず救いの手はあるから・・・」



瑠香の頬には涙が流れていた。


涙声で必死に出した言葉は、
自分と同じ思いをしてる人たちへの
精一杯のメッセージだった。




< 266 / 304 >

この作品をシェア

pagetop