たからもの
啓太は警察官で、刑事部捜査一課に所属している。殺人などの凶悪事件などを追うのが主な仕事だ。階級は警部補で、部下からはそれなりに信頼されているようだった。

母の洋子(ようこ)はキャビンアテンダントだ。そのため家を空けるのは父よりも、母の方が多い。今日も今からの飛行機でイタリアに飛び立つ。

「今日のご飯は何にしようか?」

「姉ちゃんの好きな人の好物がいいな~」

「あんたねぇ……」

家の窓から、青い空に浮かぶ空と飛行機が見えた。
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