love palette
私の言葉に、花選びはスタートに戻ってしまった。
そしてまた、私は待ちぼうけを食わされることになる。
ぼんやりと考えた。
なんであの子なんだろう。
あんなに完璧な子じゃ、認めざるを得なくなる。
だからと言って、
彼女が私みたいな平凡な子だったら“私の方が”と無駄な対抗心を燃やすんだろう。
苦笑した。
矛盾だらけだ、なんて。
もしも私の方が先に「好きだ」と告げていたら、彼は今、私のために花を選んでくれていたんだろうか。
誰にも解らない問い掛けに考えを巡らせる私は、本当にどうしようもないくらい諦めが悪い女なんだと思った。
アネモネ
(風に散る花びらと一緒に)
(私の儚い恋も散った)