ガー ネ ッ ト ~不良少女の憂鬱~
教室の前に来ると、
ちょうどチャイムが鳴った。
―――ガラッ
「おい、座れ」
城川がそういうと、
教室の賑やかさがピタリと止まった。
「転入生。
片桐まのん。
質問は…ねえな」
速い。速い。
いや、こういう手際のいい人、好きだよ。
「じゃあ、席は……」
そういって城川は止まる。
後ろの方の席はガラガラだ。
「アイツら、今日もいねぇのか。」
ボソッとそうつぶやき、
座席表を確認した。
「じゃあ、あそこ座って」
城川が指差した場所は窓側の後ろから2番目だった。
無言で席まで行く。
この教室に入ってから
何もしゃべってないな。