君のとなり
そう考え込んでいた私の耳に声が聞こえた。
「なに?」
見たわけじゃないけど、なんとなく左の席の子だと思って視線を左に向ける。
そこには不思議そうな顔をして美佳を見ている少女。
その瞳に探るような感じがあるのは気のせいじゃないと思う。
そのことに美佳が気付いているはずがない。
その美佳はと言うと「何で気付かれたんだ?」というような顔をして視線を泳がせている。
そんなことをしても怪しまれるだけなのに・・・。
「なんなの?」
その小女がもう一度言うと、美佳の視線は止まり、ゆっくりと少女の方を向く。
「えー・・・っと」