君のとなり
一歩、また一歩と公園の入口に近づいていく。
今日はパンプスを履いているため、コツコツと音がする。
これはワザと。
今、私の獲物になっている人たちにチャンスを与えるため。
私という“狩り人”が来たのを知らせるため。
この音が聞こえれば逃げれるようにするため。
でも、今回の獲物は逃げないみたい。
・・・いや。
ただ、逃げられないだけ。
気付かないんだ。
自分たちの、優越感からきた笑い声のせいで。