君のとなり
でも、その名は嫌われ者の名。
“芹沢呉羽”はもういない。
昔にいなくなった。
『自然消滅』その言い方がしっくりくる。
知らない間に私はいらない存在になった。
それは別によかった。
ただ、それで悲しむ人がいなかったのは少し辛かったような気もする。
でも、もう昔の事。
あまり覚えちゃいない。
だから、今は辛くもなんともない。
何も感じない。
なにも、わらない。
覚えていない。
ただ、分かることもある。