君のとなり
「・・・呉羽ぁ?」
「どうしたの、ため息なんかついて」
神楽と蘭の声を聞いて少しビクッとなった。
・・・忘れてた。
今日は5人で繁華街に買い物をしに来たんだった。
4人とも不思議そうな顔をしてこっちを見ている。
「あー・・・えぇっと。・・・・・・・・そ、そう!人多すぎて暑苦しいなって思っただけ!大丈夫だよ!」
私がそういうと4人とも「あぁ・・・なるほど」と言って納得してくれたみたいだ。
まさか、君たちが嫌いだと再確認してため息が出ました・・・・・なんて言えないからね。
この時、私は気付かなかった。
気付くはずもなかった。
私のこの一言が・・・・・私のつまらない人生を180度変えてしまうものだったなんて。
幸か不幸か。
私は出会うことになる。
“王様”に。