朝陽
温泉旅館に戻って、一番に向かったのは温泉。
汗がべとべとして気持ち悪かったからね。
いやあ、一汗かいたあとの温泉は最高ですよ、そりゃあなんともいえません。
ほくほくの体で、晩御飯へと向かう。
そこには海鮮鍋、刺身、そのほかいろいろ・・・
「海鮮づくし!!!」
「智咲、また妊婦になるんじゃないの?」
平助が冷めた目でこっちを見る。
「いいえ、大丈夫!!ていうか平助、今日一日なにしてたの?」
「うーん・・・ここらへんの温泉街とか、商店街周ってたよ。智咲は?」
「商店街でショッピングしたあと、公園で遊んだよ。何か買ったの?」
「あ!それでね、いいもの見つけたんだよ。じゃじゃーん!温泉饅頭!!」
箱にたくさん入った、おいしそうな饅頭。
「・・・!それは!!一個頂戴!!」
「えー。お手!」
「わん!!って何やらすんじゃい!!!」
平助の差し出した手に乗っけようとした自分の手を引っ込める。
「・・・ッチ。まいいや。はい、おみやげ~」
「うわっほい!ありがとー!あたしもあるよ!いちごみるく味の飴!!」
「・・・幼稚・・・」
「そういいつつも飴貰ってるでしょ。あ、海鮮料理あるんだった!!」
「結構量多いよ?」