朝陽





一通り並んで、体育館へと向かう。





「んじゃー座れ。」



生徒たちを整列させた後、いったん座らせる。
そして土方先生は、教師用に椅子へと歩いていく。



私は地べたなのに・・・。





「ねーねー。4組の人だよね?」




何もすることが無いので、体育座りのまま、呆けて明後日の方向を見続ける。



「・・・ちょ、聞いてる?」



「・・・え?あ、うん」



声をかけられた。隣の人だ。3年5組かな。



「絶対聞いてなかったでしょ~?ま、いいけど。私、花梨ね!秋原花梨!!花梨って呼んで!!」


「智咲だよ。橘、智咲。自由に呼んで!!」


自己紹介だ。新学期早々友達が増えた!よろこんでもいいよね?



「ちょ、橘さんですかっ?!一回は話してみたかったんだよね!!ああー。可愛いっ!!目、大きい!!あとそれと双子の、なんって言ったっけ・・・」


多分、すぅちゃんのことだろう。ていうか橘さん・・・。


「双子じゃないよ~。橘、すみれ。」


すぅちゃんの名前は、流石にあのままじゃ駄目だったので、私が名前を考えたのだ。



すぅだから、すみれでいっか。みたいな乗りで。



でもすぅちゃんは、喜んでくれている。はず。多分。



「あれ?でも苗字一緒・・・」


「たまたまだよ!!!」




< 8 / 171 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop