言えない愛と小さな世界。
ゆっくり、流れる時間。
ちくたく、とするのは時計の音のみの静かな教室。
「...あーあ、
言えるわけ、ない...」
相手が寝てしまったからか少し気が緩んでしまい、たくさんの意味が詰まった溜息を口元を歪めながらそっと吐いた。
...だけど。
「...なぁ、今の何だよ」
いつの間にか、不良は目を覚ましていたらしく。
あたしの大きな溜息も、先程から全て聞かれていたらしい。
...俯せたまま、静かに彼はあたしに問う。
そんな無意味な質問、答えられるわけなど...無いのに。