余命1年の彼女
:修也:


 プツリと電話を切られたあと、俺はイスの腰掛けた。

「ったく・・・。」


 こんな時、ちゃんと励ましてあげたらよかったのに・・・

 それにしても・・・いままでデートに誘って断られた事なんて一度もなかった。

「しかも気分って・・・ふざけんなよ・・・。」

 

 今すぐ灯の家にいって事情を聞き出したい・・・でも、あいつが迷惑がりそうなんだよな~・・・
 ほんと、こういう時って無力だよなぁ~・・・

「はぁ・・・。」
「おーい修也。ノート貸せよ。」

 最悪だ・・・。

「何その顔・・・ムカツクんだけど?」

 この生意気なやつは俺の双子の弟。

「はいはい、わかったよ・・・。」
「はいは一回でしょ?」
「うるさい、ノート貸してやらねーぞ?」
「貸せよ。」

 ・・・もう、俺は諦めることにした。面倒くさいし・・・。

「はい、ありがと~。じゃ」


 さっさと目の前から消えうせろよ・・・。

「・・・なんかあった?」
「あぁ?別になんもねーけど?」

 こういうとき・・・すっげぇうざい。

「その顔はなんかあったね!ほれほれ、俺に話してみろよ~。」

 プチッ・・・

「っせーんだよ!!!!!さっさと俺の部屋から出てけよ!!」
「ビクッ・・・何怒ってんのさ・・・。」
「うるさい!!!!」
「はいはい、部屋からでますよ~。」

 こいつの言動にはいつも腹が立つ。いつもタイミングが悪いし・・・ヘラヘラしてるし・・・ムカツク。その一言しか出てこない。


「はぁ~・・・。マジで勘弁してくれよ・・・お願いだからさ。」


 誰に願ったのか、自分でも分からない。


「ゲーセンでも行くか・・・。」
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