あの冬の恋は雪のように冷たかった
秋冬。
「おはよ~っ!!」
「愛~っ!」
中2の秋――
初めてあの人とあの日
知り合って
……
親友の奈々の男友達。
” 伊藤 和樹 ”
それは
私の初恋の相手であり、
私の初めての失恋の相手でもあった。
私に色んな気持ちを
味わわせてくれた人。
――
「愛、好きな人できたァ?」
「できねーよっ!(笑)
どっかに理想のヒト、現れないかなぁ…」
「いるじゃーん、
伊藤和樹ってヒト、愛の理想とピッタリ!」
奈々はそう言うけど
あんなのちっとも理想じゃない!!
「理想じゃないって!
顔もタイプじゃないし…」
「はぁ?!何いってんのっ!!
あのヒトは絶対学年一カッコイイ!!」
「いいの~?そんな事言っちゃって!!
優君が悲しむよぉ?(笑)」
「優は……いいの!!性格がいいからっ」
「奈々ヒドーいっ!(笑)」
「もともと顔で選んだわけじゃないから
別にい~のっ!!」
そんな会話を交わして
学校に着いた――