あの冬の恋は雪のように冷たかった

そのときだった。


急に腕を引っ張られ、

私は図書室に連れられた。



｢なにすんの?!｣



抵抗しても

相手は私を無視して

無言で――





顔はよく見えなかった。

でもなんとなく…


伊藤和樹の親友の、

山本大に似ている気もした。


雰囲気が･･･。





｢俺､山本大｣

｢…うん､知ってる…｣



｢俺と仲イイ奴で､伊藤って知ってる?｣

｢知ってるけど…??｣

｢ちょっとソイツ、話あるらしーから

ココ、、図書館の奥にいるから。

頼むから話ききに行ってやって?｣


｢なんでっ…｣

｢いーからっっ!!!｣



そうして私は無理矢理押され､

伊藤和樹の話を聞きに行くことに

なってしまった…。




｢…あ｣


奥の方へ行くと､

座り込む伊藤和樹の姿が見えた。




｢お､やっと来た…｣

｢え…で、ナンデスカ、話って?｣


｢あんさ｣


｢…ハイ｣







静かな図書室に

2人の声だけが響き渡る――








｢なんですか…??｣



｢んっと…｣











.......。