あの冬の恋は雪のように冷たかった
「わかりやすく一言で
言っちゃいますと…」
「ハイ…」
「今日からお前、
俺の彼女だから!
よろしくな!」
… は??
言葉が出なかった。
何で私が…??
伊藤和樹の、彼女…??
驚いた私は
唖然とした顔で伊藤和樹を
見つめた。
伊藤和樹は
嬉しそうに、にこやかに
笑っていた……――
「は…
なんで…」
「決まったことだから
あんまり気にしな~いのっ!
というわけで今日からヨロシク!
カ~ノ~ジョ~サンッ♥」
何コイツ…
最高にキメェっ……
そう思っているうちに、
伊藤和樹は図書室を出て行った。
「・・・!! ちょ、ちょっと待って!!」
私も急いで図書室を飛び出し、
逃げる伊藤和樹を走って捕まえた。
「あのさ…
話が、見えないんだけど」
「えー?だから、とにかくお前は
俺の彼女としてこれから過ごせばいいの!
それだけっ!」
「や!! だからっ!!
何で勝手にそうなってるの?!」
「んなの決まってンじゃん…」
「…??」