あの冬の恋は雪のように冷たかった




マオカ先輩とナツミ先輩

からのいじめはいつも決まって


・靴がない

・机の中に画鋲


この2つだった。



1週間続いて、私も慣れた。

靴は最初は

隠されるたびに探していたけど、

もう毎日持ち帰った。


机の中の画鋲は、朝、

登校してすぐ出して戻した。



そんな日々が

2週間続いた――





伊藤和樹と私との関係は

相変わらずだった。


伊藤和樹が一方的に

私の方へ近づいてくるのを

私が逃げる…。



でも、そんなことをしてるうちに

確実に私の伊藤和樹に対する

気持ちは変わってきた―――



冗談で手を繋ぐこともあった。

ふたりっきりでプリクラも撮った。




そんなカレカノみたいなこと

してるけど、私はまだ認めていない。





逃げても逃げても

追ってくる伊藤和樹の熱心さ。


そこだけは理想どおりだった。



なんだかんだいって、

やっぱり顔もカッコイイし…

これって”好き”なのかな?





先輩方のいじめは

さらにエスカレートした。


画鋲は、机だけでは済まされなくなり、

ロッカー、さらには下駄箱…。

いたるところに画鋲が入れられた。


それでも私はめげなかった

なんでだろ

なんで

スッパリ伊藤和樹に言えないんだろう


大嫌いだから

って何で言えないんだろう




いえたらこんないじめもない

いえたらきっと諦めてくれるのに


何でだろう





”好き”って気持ちが

分からなくて…








...














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