あの冬の恋は雪のように冷たかった
季節は冬へと変わった―――…
先輩方のいじめは
緩むことのないまま。
毎日学校へ行くのが嫌になるぐらい
ヒドいいじめを受けたりもした。
それでもめげなかったのは
やっぱり伊藤和樹の存在があるから。
やっと気づけた。
”好き”って気持ちに。
先輩方にボコられたこともあった。
先輩方に泣かされたこともあった。
こんなにボロボロになっても
諦められないぐらい、好き、っていう
気持ちにやっと気づけた。
先輩方には強気で言った。
「自分の気持ちに気づいたから
もう”簡単に奪える”なんていわせませんよ?」
って、
強気で。
大声で。
いえたんだ――
それからというものの
先輩方は影で、ではなく
表で、いじめるようになった。
黒板にメアドをばらまかれた
こともあった。
伊藤和樹が助けてくれなかった
のは、気づいていないからだった。
私が直接言うこともなければ
普段情報を流しているあの2人の先輩が
誰にも流さないから噂も流れない。
…それに、なにより
私がバラしたくなかったから。
そういう関係の質問をされれば
必死に誤魔化したりもした。
迷惑をかけたくなかったあまり――
決心した。
今度先輩に会ったとき、
これからはちゃんと付き合いたいです
って言おう、って…
そして今までごめんなさい、
って…