あの冬の恋は雪のように冷たかった
「あいっ!♥
一緒にかえらねぇー??」
最近はいつも
伊藤和樹が帰りに教室に来る。
それが嬉しかった。
奈々とは普段は一緒に帰っていた
けど、伊藤和樹とのことがあってから
一緒に帰っていない。
「うんっ!」
今まで「はぁ?」だった返事も、
今やもう快く返事をしていた。
帰り道。
――
「ねー、愛さー」
「んー?」
「いつまで俺のことフルネームで呼ぶの。」
「……」
「もう呼ばないから。
今度からは和樹、って呼ぶっ…」
「…ぇっ…まじ??」
「うんっ…まじっ……」
「それとさっ」
「ん?」
「言いたいことがあったんだ…」
「何?」
「実は私…
和樹の事、ちゃんと好きになった。
今まで自分の気持ちが分からなくて
避けてばっかりいてごめんね…
でも、今はホントに本気で好き!!
そう確信できたんだ…。
だから私も認めたってことだから
今日からちゃんと付き合おう?」
「・・・・・・・」
しばらく反応がなくて
戸惑った。
もしかして私
嫌われたのかな、って…
今までのただ、お遊びだったのかな?って
………
でもそんな不安は
一瞬にしてぶっとんだ
「よっっしゃあああああああああああああああああああああ!!!!!!」
今まで聞いた声の中で
一番大きいと思えるぐらい
大きな声で叫んだ。
「ホント??愛…
俺のこと好きになったの?!?!
俺、信じるよ???いいの?!」
「うんっっ…」
そうして私達は
”カップル”として
2人で帰っていった―――