永遠の時を君と刻む
第一章
「そろそろ行こうかな」
くつろいでいたソファーから立ち上がり、気持ちよく伸びをした。
「今日はずいぶん余裕ね」
となりで一緒にTVを見ていた母がそう言った。
「うん、一応入学式だしな」
軽く笑みを浮かべていると、母は俺をマジマジと見つめた。
「…あんた、変わったわねえ」
「まあ、あの頃は腐ってたな。もう戻らないよ」
母は何か言いたげな顔をしたが、ニッコリ笑って
「行ってらっしゃい」
と、発する音一つひとつを柔らかく包み込むように言った。
「行ってきます」