Memory
ふと時計を見ると12時を過ぎていた。
学校を抜け出して来たっていう設定で行くから
制服に着替えねーとな。
俺は制服に着替えて昼ごはんのパンを銜えながら家を出た。
病院までの道のりはバスで30分くらい。
昼休み抜け出したとしても、絶対次の授業は遅れる。
まぁ俺は休んでるから関係ねーけどさ‥
「こんにちわー♪今日もお見舞い?」
「はい」
「優しいのね」
もう看護士さんから覚えられてるくらい
この病院には来ている。
見慣れた廊下を歩き潤の病室へ向かった。
ガラガラ
「ちわー、今日の調子は?」
「ん、順調♪」
潤はいつもの笑顔でそう言った。
この会話だけで俺は安心するんだ‥
「で、こんな時間に何のよう?」
俺は潤のベッドの隣にある椅子に座った。
「宏も聞いただろ‥?」
一気に潤の顔が暗くなった。
きっと潤の命のことだ‥
昨日、潤の親から聞いたことを思い出した。
卒業式が最後になるかもしれないという事‥
「聞いた」
「‥‥どーすりゃいい?」
「卒業式のこと?」
潤は「うん」と言う代わりに小さく頷いた。