Memory

潤いわく親には
やりたいよーにすればいい
って言われたらしい。

そんで母親が来ない時間帯に
俺と話して決めようと
思ってこんな時間に呼び出したんだと‥。

そりゃぁ母親にこんな事、相談できねーよな。


「俺は少しでも長く潤に生きててほしい。
 でも‥後悔だけは、して欲しくないんだ‥。
 最後の最後まで楽しんでもらいたい」

俺は潤から視線を逸らさずに
言葉を続けた。

「多分潤の親もそう思ったから
 潤に任せちまったんだと思う」

途中から潤の瞳には涙が溜まっていた。
俺は潤の頭を撫でながら

「潤はどーしたい?」

と問いかけた。

「‥卒業式に‥でたい‥‥。」

その言葉には潤の強さを感じた。

俺はその言葉と潤の強さに
涙が出そうになった。

潤の肩を掴んで

「それで潤は後悔しねーの?」

「うん」

今度は言葉で答えてくれた。

「じゃー、俺がお前をフォローすっから!
 絶対そこで終わらせねーから!」

「あり‥が、と」

その後、潤の涙は止まる気配を見せる事無く零れ続けたんだ。


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