Memory

残るは退場のみ。

何事も無く卒業式は終わった。
菊池と杏子とその他何人かで泣きながら輪になってる。

式の時間は約1時間30分。

潤はちゃんと俺の横で
この高校を卒業した。


野球部の集まりとかあったけど潤は
教室に行きたいからと言って参加しなかった。

俺もついて行くっていったけど
潤は一人で行くからいいと
俺に後から来いって言って先に行ってしまった。

今思うと無理矢理にでも
一緒に行っとけばよかったのかもな‥。

「宏揆先輩ー♪卒業おめでとうございます!」
「‥どーも」

つーか誰?って聞きたかったけど
聞く必要がなかった。

「先輩は杏子先輩とぜーったい幸せになってくださいね♪」
「杏子の後輩?」
「はい!そーです♪私たち杏子先輩が1番好きだったから、幸せになって欲しいんです!」
「そっか‥心配すんな。俺が幸せにすっから」
「キャー!カッコイイ♪」

「宏揆!私の後輩に手出さないでよ?」

いやいや‥出す気なんてねーけど?

「杏子先輩!めちゃカッコイイじゃないですか!?」
「私の彼氏だから狙わないでね」
「はーい!先輩少しくらいまた部活に顔出してくださいね」
「うん」

俺はそんな別れ話に釘を刺すように杏子の腕を引っ張った。

「「キャーーー♪」」

杏子の後輩とか言う奴らは
勝手に盛り上がってるけど俺は気になって
仕方がなかった‥

途中で菊池と合流して
今までの思い出が詰まってる
3-Bの教室へ。

今日の朝と同じように
机にうつ伏せている潤の姿が見えた。

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