Memory

俺らは顔を見合わせて
潤の近くまで行った。

「潤ーー起きろーー‥」

本気で寝てるし‥

菊池が潤の肩を揺すりながら

「岡崎君‥起きて?」

杏子はそんな起きない潤の姿を見て何を思ったのか
目に涙を溜めていた。

その姿を見て俺も思いついた。

今日が最後になるかもしれない

と言う医者の言葉を‥‥__


「おいっ!潤、起きろって!」

反応がない‥。

俺は潤の体を思いっきり揺すった。

「何でだよ!さっきまで笑ってたじゃんか‥」

お願いだから起きてくれよ。
いつもみたいに
冗談だって‥
笑ってくれよ‥


「宏揆‥美羽が‥‥」

杏子のその言葉で俺は菊池のことを思い出した。
菊池はその場にしゃがみ込んで
声にだして泣いてた‥。

勿論ここに居る俺ら全員‥
こんな形で潤が居なくなるなんて思ってもいなかった‥。

杏子も我慢できなくなったのか
急に膝から崩れ落ちるように泣き出した。


「美羽‥‥宏揆‥‥っあれ‥」


杏子が指で示したのは黒板‥。

俺はそこに大きく書かれた文字を見て
改めて潤の強さを知った。

それと同時に俺の瞼から
涙が零れ落ちた‥。

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