Memory

潤の想い


朝までは卒業おめでとうって文字が
書かれてあったのに

今、目の前にある文字は確かに潤の字で‥

『今までありがとう』

って書かれてあった。


まるで自分が死ぬって分かってたかのように‥
大きく書かれたその文字は
潤が予想していた以上に
俺達の心に響いたんだ‥。

その黒板の前の机を見ると
俺ら宛てに手紙みたいな
メッセージが書かれてあった。


『宇原へ
 
 いつも宏を取っちまって本当ごめんな。
 菊池のことだって1番協力してもらってたのに‥
 お前らの恋に協力できなくて‥
 ホントは悔しかった。
 そんで宏はマジですげーいい奴だから
 絶対手離すなよ?
 宇原にしか宏を渡す気ねーからな』


「へへ‥‥何か宏揆の親みたい‥」

ホント杏子の言う通りだって‥。

それに‥お前が悔しがることねーじゃん。
だって杏子のこと好きなんだって
気付かせてくれたのは
潤みたいなもんだからさ‥。




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