Memory

『菊池へ

 俺と付き合ってくれて
 ありがとう。
 1番にこれ言っとかねーとな‥
 こんな情けない俺と最後まで
 一緒に居てくれて
 ホントありがと。
 菊池は宏も惚れたくらいだから
 いい男が見つかるよ♪
 宏は宇原のだから手、出すなよ?
 俺が宏に嫉妬しちまうからな(笑)
 俺の分まで幸せになれよ』


「‥‥お、か崎‥君‥じゃなきゃ‥ヤダ‥よ」

菊池は泣きながら呟いた。

そりゃそーだよ‥
こうなるって分かってたとしても
目の前で起こると辛過ぎる‥。
それに、最後の一行
[俺の分まで幸せになれよ]
これは菊池にとって1番心に刺さる言葉だと思う。

俺でも無理だ‥
絶対に堪えられない‥。

それに菊池は俺とは違う。
女子だ。

当たり前のことだけど
菊池はこれでもかってくらい
周りを気にせず泣き出した‥。


静かに眠る潤の目の前で‥

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