Memory
「っごめん‥‥」
潤が俺の制服の裾を握り締めながら呟いた。
別に謝られることされてねーんだけど‥
俺の頭は今の状況についていけてない。
潤は俯いたまま何も言わない。
「‥‥訳わかんねーよ」
俺は少し強めに潤に向かって言葉を放った。
潤は肩を震わせながら
「‥俺さ、もう宏達と一緒に‥‥野球できねーや」
って言って制服を握ったまま
その場にしゃがみ込んだ。
もう俺らと野球できないって
どーゆー事だ?
「‥‥俺、病気みたい。」
「病気って何だよ?治るんだよな?」
潤は俺とは目を合わせずに涙を零した。
「ッまじかよ‥‥」
「仕方ねーよ‥俺の態度が悪いから神様から罰が下ったんだ」
俺は潤の震える体を力強く抱きしめた。
「んな事ねーよ。だって俺、お前が朝誰よりも早く来て練習してんの知ってる。それに授業はサボってても家でその分も勉強してんじゃんか」
「‥‥ッ宏ーー。じゃぁ‥何で俺なんだよ‥‥そうでも考えないと悔しいじゃんか」
俺だって悔しい。
何で潤なんだよ‥‥って
心からそう思う。
まだ17歳なのに‥
人生の半分も生きてねーのに‥‥
気付けば
俺の頬には一粒の涙が落ちてた。