Memory
潤には学校に居る間は病気のことも忘れられるくらい楽しく過ごしてもらいたい。
そんで幸せになってほしいんだ‥
「どーして急に?」
「杏子には秘密」
「えーー、ケチー」
潤のことは誰にも言えないから仕方ねーんだよ‥
って心の中で呟いてからかうように笑った。
「はよーッス!」
「はよー」
俺と杏子が言い合いしてる最中に潤が来た。
はっきり言ってすげータイミング悪い‥‥
「朝から何もめてんだよ」
「宏揆が教えてくれないんだぁー」
「何を?」
「っ宿題の答えだよな」
杏子が口を滑らす前に阻止した。
俺が菊池のこと諦めるって知ったら
潤は自分のせいだって思うかも知れねーじゃんか。
「そんなことでもめてんのかよ!」
「う、うん」
杏子も俺の言葉に合わせて頷く。
潤はそんな嘘に笑うだけ笑って自分の席へ向かった。
「もしかして岡崎君に諦めること言ってないの?」
「今日中にでも言うと思うから心配すんなって」
「別に心配はしてないけど」
「そっか」
こうして俺は杏子と別れて席へと戻った。
杏子も可愛い方だと思うけど
菊池の笑顔に比べたら‥‥
考えるの辞めとこ。
菊池のこと諦めきれなくなっちまう‥
「なぁ何で宏と宇原ってそんな仲良い訳?」
「別に普通じゃね?潤だって話すじゃんか」
「お前が居る時だけだって。つーか今日の朝とか普通にカップルに見えた‥」
「っまじかよ!」
予想外な言葉に昼飯のパンを喉に詰まらせそーになった。
潤はそんな俺を見て爆笑しながら
「まじまじ♪お前ら付き合えばいいのにー」
って言った。