クロネコ彼氏
「よ、よくないです」
「……そ」
後ろの人達からの視線が痛くて、つい、俯く。
そんなわたしを見て、どう思ったのか分からない
けど、黒川くんはすんなり離してくれた。
「……」
離れてく温もりに、少しだけ“残念”なんて思ってしまう。
なにが“残念”なのか分からないけど。
「……どうした?」
「え? あ……」
上から聞かれる声で、自分がまだ座ったままなことに気付く。
だからサッと立ったけど――。
「……」
えっと、これからどうすれば?