クロネコ彼氏
「で、でもっ!」
その冷たい言葉に、女の子達もビクッしていて。
だけど納得できない、とでも言うように声を荒げる。
それに胸がチクリと痛んだ気がした。
大好きな人が女の子と抱き合ってて、
しかも、その女の子はさして可愛いわけでもない平凡な子、だなんて…。
納得できないのも分かるのに。
「中川さんなんて大して可愛くないのに、なんで中川さんなんかと!」
だからこれくらい、その通りだ、と受け流せた。
のに――。
「……五月蝿い」
黒川くんのさっきよりも低い声が…
ううん。
怒りを押し殺した声聞こえて、教室がシン、となった。