クロネコ彼氏



教室が沈黙で包まれる。



何と言うか、すごく居心地が悪い状況。


ますます脳内でパニックになるわたしに黒川くんの声。




「……ちょっと来て」



その声は、さっきの声が嘘のように優しい声。


もしかして夢? なんて、バカみたいなことを考えるくらい。



そんなことを考えて、ボーッとしたわたしの腕を引っ張って教室から出る黒川くん。




その間も、視線は痛いぐらいに浴びせられ続けられていて。


……ついでに、視界の隅にニヤニヤしてる和が見えて、頭痛がしてきた気がする。



絶対戻ったら、根掘り葉掘り聞かれるんだろうな、なんて。



< 17 / 105 >

この作品をシェア

pagetop