クロネコ彼氏
教室が沈黙で包まれる。
何と言うか、すごく居心地が悪い状況。
ますます脳内でパニックになるわたしに黒川くんの声。
「……ちょっと来て」
その声は、さっきの声が嘘のように優しい声。
もしかして夢? なんて、バカみたいなことを考えるくらい。
そんなことを考えて、ボーッとしたわたしの腕を引っ張って教室から出る黒川くん。
その間も、視線は痛いぐらいに浴びせられ続けられていて。
……ついでに、視界の隅にニヤニヤしてる和が見えて、頭痛がしてきた気がする。
絶対戻ったら、根掘り葉掘り聞かれるんだろうな、なんて。