クロネコ彼氏
「…そしたらアンタもじゃん」
「うっ」
確かに、そうなんですけど……。
そう思って言葉を詰まらせてると、隣から笑い声が聞こえてきた。
もちろん、隣に居るのは黒川くん。
「黒川くん? 何で笑って――」
「アンタのそーいうトコ、可愛いよね」
「……え?」
静かに笑いながら、聞こえてくる声を理解するのに数秒かかった。
可愛、い…?
「えっ!」
そして理解したと同時に奇声を上げてしまった。
「どうした?」
「え、や……その」
“可愛い”なんて言われたことがない私は真っ赤になってしまう。
だから自分でも分かる赤い顔を隠すために俯いた。