クロネコ彼氏
今の、六条御息所の生き霊の所かな…?
なんて、考えていたら柳瀬くんがわたしを見る。
「…? どうしたの?」
「スゲーなっ」
「え?」
何を褒められたのか分からなくて、首を傾げる。
「訳すのがスゴイ!」
「いや、ここは前に課題で…」
「そーだったっけ?」
「……」
出してないんだ。
古文の先生は、提出物重視な人なのに…。
ジトッと柳瀬くんを見ると、柳瀬くんが焦り出す。
「いや!な! 古文って眠くなるだろっ!?」
「え…」
わたしが返答に戸惑ってると、先生がこちらに向かってくるのが視界に入った。