クロネコ彼氏


ぼそっと聞こえた言葉の何だったのか、チャイムのせいで聞き取れなくて。

でも、聞き直しちゃいけないようで…。


聞きたいこと、
喉の奥に引っ込めた。




「あ、中川…。まだ何もされてねぇのか?」

「う、うん?」


主語を、ください…。



「ならいーけど。
囲まれたら逃げろよ!」

「かこま…?」



い、一体何に?


なんて思いながら、

今日のわたしの頭は理解力が乏しいのかも…。


とも、思った。



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