クロネコ彼氏
「中川さん、ちょっといいかな?」
教室に響いたその声に身体がビクッとなる。
だってその声は、
朝、黒川くんに冷たくあしらわれた女の子のものだったから。
こうなることは、考えれば予想できた。
なのに、考えてすらなかったわたしはひたすらパニックになる。
…やっぱり安心してたのかもしれない。
何だかんだで直接には何もされなかったから。
だから、考えてなかった
「……っ」
「話したいことがあるの
…言ってる意味分かるよね?」
振り向くと、結構ハデな感じの人があと5人。
サアァァァ、と顔から血が引いていく。
…それでも。
「…は、い」
逆らうことなんて出来ないわたしは頷いた。