クロネコ彼氏


……でも。



「だから別れてよ…っ」

「別れません」



“別れたくない”

……そう、思ったから。



ハッキリと言ったわたしに一瞬みんなびっくりしていた。

だけど、すぐに怖い顔になって……




「ふぅん?」

「……っ」



含みのある笑みで、囁かれるとやっぱり怯んでしまう。



きっと、殴られる。

そう思って震えが止まらない。


だけど、目をギュッとつぶって、来るだろう痛みを受け止める覚悟をする。




そして…


“ガリッ”と皮膚を引っかく音が教室に響いた。



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