クロネコ彼氏
付き合って数週間。
お昼と下校以外は――特に何も変わりなく、のほほんと過ごしていた。
そんなわたし達だから、本当に付き合ってるのか怪しんでるような噂が流れたりした。
わたしも“そういうこと”を望まないわけではなくて。
だけど、黒川くんの性格的に、デートとかなさそうだと……正直、思ってた。
「えっと、わたし?」
パニックのあまり、思わず出た台詞に、黒川くんが眉を潜める。
そして、ため息一つ吐き出して。
「アンタ以外に誰とデートするわけ?」
なんて、ごもっともな事を言われてしまった。
……うぅ。