クロネコ彼氏



「まあまあ、そう言わずに……」



落ち込むわたしを宥めるように、肩を叩かれる。

そして地味に痛い打撃が何発か続き、ピタリと止まる。


――?




「買い物」


「へ?」



いきなりそう言われて、つい素っ頓狂な声を上げる。


と、和は「だからーっ」って席を立って、わたしに向けて指を指した。




「デート、お買い物はどう?ってこと!」


「お買い物?」


「そ、お揃いのものとか買ったり出来るし

それに、伊織にはこっちのが良さそうだしねぇ」



付け足された言葉は余計だけど、いいかもしれない。


確かに、黒川くんとのお揃いほしい、かも。



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